ACADEMIC

中国への働きかけ

2019.11.22

中国のリハビリテーション(以下:リハビリ)の背景

セラピストが誕生して歴史が浅く、人口に対する割合も少ない、これから成長していく発展段階にある。
 

・日本:世界一高齢化先進国
・中国:日本の30年遅れ

<高齢者人口ピーク>
中国:2060年3億人超。リハビリに対する期待や需要は増加。将来を見据え質・量の向上が重要。弊社が行っている働きかけについて報告

<中国医療の現状>
西洋医学と伝統中医学が混在
推拿(トゥイナー)/鍼灸/漢方
・滞った気の流れのを正常に戻す
・身体の重さを取り除く
・冷えの改善

<リハビリの現状>

養成校教育の特徴

・学科ごとに分かれるのではなく「リハビリ技師」という一括りで教育
・リハビリ専門職は国家資格ではない、衛生専業技術資格合格者という位置づけ
・医療機関へ就職後、職場の状況や本人の希望などによりPT、OT、STになる

病院内リハビリの特徴

・治療室で行う訓練はマット上で推拿や可動域訓練がほとんどを占めている
・歩行訓練などを行っているセラピストを見かけず家族が付き添い行っている
・実際の生活環境を模した状況でのADL訓練などは行われていない
・ベッドサイドでは離床がほとんど促されていない(実際に介入を経験)
・いわゆる身体機能の向上に重きが置かれている

<考察>
中国はICFに基づいた治療展開

伝統中医学がメイン


しかし実情は・・・・
・治療室で行う訓練はマット上で行う推拿や関節可動域訓練が多い
・歩行訓練などを行っているセラピストを見かけず家族が付き添い行っている
・自宅復帰を想定し実際の生活環境を模した状況での訓練などは行われていない
・いわゆる身体機能の向上に重きが置かれている

症例:「脳梗塞後に長期的に寝たきりにされた」
医師:「歳を取ったら隅で大人しく世話人を雇って暮らす」
セラピスト:「本当はもっと動かして行きたいがやり方わからない」

問題点:伝統中医学と機能障害に偏った治療展開

<問題解決に向けて>
偏った治療展開から包括的な考え方にシフトチェンジ

本当の意味で包括的概念を浸透するのは長期間を要する
 
<重要な要素>

短期的ではなく長期的な働きかけ

<長期的な働きかけのためには>
正当な対価を得ていくビジネスとして利益の追求

①現地の病院内にある既存リハビリ部門を日本企業が運営管理
②現地にリハビリを提供できる施設を新たに設立

<事業計画具体案>
・現地へ駐在員を派遣
・現地の企業との合弁による現地法人の設立
・日中双方で協力体制を取れるセラピストの協会の設立
・協会で海外での活動を考えている日本人セラピストを募り中国へ派遣
・日本のセラピストを派遣することで現場でのセラピスト教育

高齢化先進国である日本のノウハウを中国へ

<達成すべき課題>
・合弁の法人設立に向けさらなる現地企業との関係強化
・連携を取る医療施設との事業スキームの構築
・中国独特の人脈等の構築強化

専門家だからできる“コト”を“カタチ”へ

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