ACADEMIC

理学療法士として靴販売店に勤務し得られた
経験と課題

2019.06.01~02

ACADEMIC

理学療法士として靴販売店に
勤務し得られた経験と課題

2019.06.01~02

はじめに

理学療法士免許取得後、ランニングシューズ・インソール専門店就職
主に販売員として3年間勤務(接客・靴の処方・靴の販売・靴の修理・インソール作成)3年間勤務で1,000人の市民ランナーを接客

靴が身体に及ぼす影響が大きい
①フットプリント
②カウセリング
③靴の提案・フィッテイング
④歩行評価


1,000人の市民ランナー約7割が腸脛靭帯炎

約1,000人の市民ランナーにシューズの販売を行なった経験から、腸脛靭帯炎を呈するランナーの特徴と傾向が、店舗独自の評価から得られたのでここに報告する。

対象と方法

対象:20〜60代の男女 /1,000人の市民ランナー

①足底圧計測の採取

フットプリントから得られる情報
足長・横幅・アーチ有無・重心位置・足底圧


②お客様のシューズ評価

★フィッティングチェック

3つのポイントで重要なのは“爪先のスペース” 踏み込んだ際にスペースが無くなるため必ずスペースが空いているかを確認


★靴裏の擦り減りチェック
・蹴り出し部の擦り減り
・踵部の擦り減り
・擦り減りの左右差
★その他
・クッション性(耐久性)
・靴の履き方(踵を潰しているかなど)

③足関節背屈(ROM-T)


測定肢位:座位にて膝関節伸展0度 基本軸:腓骨への垂直線
移動軸:第5中足骨 *自動運動で最大背屈位を計測

結果|腸脛靭帯炎を呈する方の特徴と傾向
・足底外側圧が濃く写る
・足関節背屈制限(10度以下)
・シューズの過小サイズ着用(1cm以下)

考察1|外側荷重になる原因

重心の前方移動を外側動揺で代償
過小サイズ着用 足趾屈曲による外側荷重+足関節背屈制限前方への重心制御(背屈20度以上が理想)


考察2|サイズを間違える原因
①履かないで購入

ネットショッピングの普及・SMLサイズの普及

②革靴と同じサイズ

革靴には爪先の余裕“捨て寸(1cm)”が含まれる為、ランニング シューズとはサイズが異なることを知らない方が多い。

経験と理学療法士としての提案

・怪我をする方の特徴1マラソン大会への計画不足
・靴のサイズ不適合・靴の知識不足

・計画立案(3ヶ月走行ステップ)の実行
・適正サイズの靴へ変更
により「怪我が軽減」し「目標達成」する方が多く見られた。
また理学療法士の知識を販売業に活かしたことで
顧客の信頼度UP
リピート率90%
売上UPにつながった。

臨床現場では身体評価に特化し、靴の評価をしている方が少ない

 

靴を評価することで
活動量

・靴のヘタりや擦り減りで日常活動量が把握できる
 

考察及び、治療の一助

・身体評価と合わせる事で原因解明に繋がる
・靴が怪我の原因になる事も多い
・靴を変える事で怪我改善
・予防を図れる
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