脳梗塞リハビリ研究所

脳梗塞リハビリセンター熊本及びその関連施設では、利用者さまのリハビリテーションを第一に運営を行っております。合わせて、医療・リハビリテーション分野の発展に貢献するため、研究部門を併設し、積極的に研究にも取り組んでおります。本研究所で得られた成果は、国内外に向け学会・論文等で発信していきます。
研究部門のビジョン
脳卒中リハビリテーション分野を中心に、リハビリテーション科学の進歩及び、地域医療の向上・発展に広く貢献すること。
研究情報一覧
2019.00.00 | 研究タイトルcoming soon |
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研究挨拶

脳梗塞リハビリ研究所は、脳梗塞リハビリセンターという保険外リハビリ事業と両輪を成し、脳卒中における基礎研究ならびに社会課題としての脳卒中要介護者人口増加の解決、高品質なリハビリテーションの開発、ひいては脳卒中患者の社会参加、介護者の負担軽減などを目指した実践的研究を推進しています。
保険外リハビリ事業をフィールドに、病院を退院した脳卒中患者に対し、各種研究機材を用いた動画解析や(脳卒中患者の歩行、麻痺上肢の運動など)や集積されたデータ統計等を行います。
ご利用される顧客への情報還元として、初回利用時から定期的な測定・解析を行い身体状況の変化を可視化しております。これは単にサービスの一環ではなく、顧客とセラピストの両者が目標に向けた問題点の明確化を可能とし、最善の治療プログラムを提供することや、顧客が変化を実感することで生まれる「可能性」という気づきを与えることができ、機能改善を加速するための重要な手続きであると考えております。
つまり、セラピストの主観的思考のみではなくデータに基づいた客観的思考により、顧客が自身の変化を実感しやすいこと、セラピストも自身の先入観にとらわれない適切な介入方法の創出を可能にしています。
研究目標

脳卒中リハビリテーション分野を中心に、リハビリテーション科学の進歩及び、地域医療の向上・発展に広く貢献すること。
研究概要

脳卒中による麻痺側上肢動作の特徴
脳卒中受傷後、多くの患者で上肢の運動機能障害がみられることが知られています。上肢は多様な日常生活活動と深く関連しているため、脳卒中による上肢機能の制限は脳卒中患者の生活の質に直結する問題となっております。
これまで、麻痺側上肢のリーチ動作は、その「範囲」に着目される場合が殆どでした。その一方で、リーチ動作は到達範囲内(Reachable work space)であっても、リーチ方向により肩関節の内旋・外旋、屈曲・伸展、肘関節の屈曲・伸展等、動作を構成する要素は異なることが報告されています。
我々は、運動麻痺を呈する方の上肢動作を詳細に解析したところ、上肢リーチの到達範囲内であっても、運動方向特異的な動作の不安定性が存在することを見出しました。本研究により得られる成果は、「どこまで届くか」というこれまでの麻痺側上肢機能の側面に加え「届く範囲をどのように動かせるか」という新たな視点を提供するものです。本研究は、脳卒中片麻痺患者の上肢を対象とするリハビリテーションの基礎的知見となることが期待されます。
保険診療対象外となった
脳卒中片麻痺患者の歩様変化の検証
本邦では脳卒中に対するリハビリテーションの保険診療期間は180日と定められております。期間終了後、高齢患者は介護保険施設が利用可能ですが、現役就労世代や社会復帰を目指す患者のニーズに応えておらず、問題となっております。
保険診療打ち切りとなり、保険制度上の「慢性期」となった患者の受け皿となっているのが、脳硬塞リハビリセンター熊本を始めとする、自費診療リハビリ施設です。社会的ニーズは増えている一方、保険診療期間外となった患者に対する個別リハビリテーションの効果は、①病院での実施は困難、②これまで自費診療リハビリ施設が検証を行っていない、という理由により示されていませんでした。保険診療期間終了後のリハビリテーション効果を示せば、患者本人の希望となるだけでなく、病院においてもリハビリ継続を望む退院患者に対し、エビデンスに基づいた自費診療リハビリという選択肢の提案が可能になります。
本研究所では、脳硬塞リハビリセンター熊本と連携し、片麻痺患者の歩行解析を行っております。解析により得られたデータは、利用者個人のリハビリテーションに活かされるだけでなく、慢性期を迎えた片麻痺患者への積極的リハビリテーション介入による効果検証の基盤となるデータとして活用しています。
本研究の一部は、公益財団法人肥後医育振興会からの研究助成を得て行っております。